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ハイエースの盗難対策

2019/12/12

最近、SNSなどでハイエースの盗難情報をよく目にします。また、「ハイエース 盗難 画像」で検索すると、不正輸出用にぺしゃんこにつぶされたハイエースの無残な姿を見ることができます。その大胆不敵な犯行手口からプロの仕業と考えられます。

  • 外観が派手なカスタム車両であろうとおかまいなしで盗み去る。
  • 白昼堂々、自宅よりも警戒が緩む外出先で一瞬の隙を突く。

ハイエース盗難被害の状況

ワースト1位が続くハイエース

日本損害保険協会の調査によれば、車種別の盗難被害はハイエ-スが7年連続ワースト1位となっています。

第15回自動車盗難事故実態調査結果発表
~ハイエースの自動車盗難被害が大幅増加、人気車種の被害が多発~
【№13-025】
(2014.3.18)
(中略)
車種別では、ハイエースの被害件数が148件で23.9%を占め、対前年81件・10.8ポイントの増加(結果報告15ページ参照)で、2007年調査から7年連続でワースト1位となりました。

日本損害保険協会 - SONPO | お知らせ - ニュースリリース

上記サイトの情報は2013年11月に保険金を支払った事案を対象にした調査結果です。

また、下記サイトの情報によれば、2013年におけるハイエースの販売台数は51074台とのことです。よって、盗難に遭う確率は148÷(51074÷12)=3.43%、30台中1台という計算になります。

  • 車種:ハイエース
  • 2013年累計:51074台
トラックNEXT(トラックネクスト)へようこそ―トラック販売台数 2013年12月分―
ハイエース販売台数推移

その後、ハイエースの盗難台数が減少に転じたとのニュースがありました。しかし、盗難台数がゼロになったわけではないので油断は禁物です。

⇒ハイエース盗難情報(3) 盗難台数が減少に転じる

ハイエースが狙われる理由

ハイエースが狙われる理由としては、以下のようなことが考えられます。

  • 商用車なので、低コストと引き換えに盗難対策が甘い。
  • モデルサイクルが長いので、累計販売台数が多い。
  • 品質・耐久性に優れ、海外でも人気が高い。
  • 積み荷も売り物になる。

車上荒らしや国内への転売と違って、海外に転売されるケースでは盗まれた車はヤードで解体されてから部品として輸出されてしまうため、水際での阻止やその後の奪還はほとんど不可能です。このような被害に遭わないためには、窃盗団の手口を想定した対策が必要です。

盗難対策の実施状況

私の自宅付近で私以外のハイエースオーナーさんがどのような盗難対策をしているか調べてみました(調査総数:50台、車種:バン/ナロー/スーパーGL)。結果は以下のようになりました。

盗難に対してわりと無防備なオーナーさんが多いように見受けられます。安価なグレードならともかく、スーパーGLに高価なパーツをたくさん付けているのに、盗難対策をまったくしていない方もいて驚きました。

何も対策をしてなくても盗難に遭っていないとしたら、それはたまたま狙われていないだけのことです。確率はごくわずかだとしても、万一の交通事故に備えて任意保険に入るのと同じように、盗難対策を惜しむべきではないと思います。

盗難対策の種類と特徴

メインキー

リモコンキー

窃盗犯に隙を与えないために無施錠は禁物です。

200系ハイエースでは4型からオプションでスマートキーが選べるようになりました。スマートキーは、物理的な鍵の代わりに、電波を利用して車体と通信することで、ドアロックを解除したり、エンジンを始動することができます。しかし 、スマートキーの普及に伴い、リレーアタックという手口が登場してきています。リレーアタックとは、車を離れた持ち主に犯人が接近して、スマートキーが常時発信している微弱な電波を増幅して車まで中継し、車の鍵を解除してしまう方法のことです。

スマートキー搭載車を狙う「リレーアタック」から愛車を守る[自動車豆知識] | レスポンス(Response.jp)

イモビライザー

イモビライザーはメインキーとECU(車体側コンピューター)の間で固有のIDを電子的に照合することで、配線直結によるエンジン始動を防ぐ装置です。

【今さら聞けない】クルマのセキュリティ「イモビライザー」とは – WEB CARTOP

200系ハイエースでは、2型スーパーGLに標準装備となり、3型後期から全車標準装備になりました。しかし、イモビライザーの普及は盗難の防止には寄与していないのが現状のようです。

⇒ハイエース盗難情報(2) 多摩地区での盗難多発

純正イモビライザーで防護していても、別の車両用のECUを移植すれば、そのECU用のメインキーで始動することができます。さらに、不正な合鍵をメインキーと誤認させるイモビカッターという装置が登場しています。

また、レッカーによる持ち去りや車上荒らしには無力です。

カーセキュリティ

カーセキュリティは施錠中にドアが開放されたり、車体への衝撃を感知すると警報を鳴らす装置です。純正品は安価で操作がシンプルですが、軽衝撃は感知できません。社外品は高機能な反面、高価で、取り付け、調整、操作がやや複雑です。

LEDスキャナー

カーセキュリティの詳細については別途記事にしています。

ガラスエッチング

複数のガラスに車体ナンバーを刻印して、車体ナンバー改ざんによる車両の転売を抑止します。ただし、部品レベルまで分解して転売する窃盗団や車上荒らしには無力です。

ガラスエッチング(フロント)

⇒ガラスエッチングによる盗難対策

物理ロック

ハンドルロック、タイヤロックなどがあります。ハンドルやタイヤをロックして、自走による盗難を防ぎます。しかし、切断やピッキングで解除される可能性があります。また、レッカーによる持ち去りや車上荒らしには無力です。

ハンドルロック

物理ロックの詳細については別途記事にしています。

サンシェード

車内には何も置かないのが基本ですが、車内を物色させないことで車上荒らしの抑止を期待できます。

サンシェード装着状態(外観)

⇒サンシェードによる盗難対策

GPS追跡装置

GPS追跡装置は車両の位置をリアルタイムに監視することができます。しかし、携帯電話回線を利用するので、人里離れた圏外では無力です。また、電波は金属に遮断される性質があるので、圏内であってもバンボディトラック(アルミ製の箱型の荷室を備えたトラック)の荷室に積み込まれたり、鉄筋コンクリートの建物内に保管されたりすると追跡できなくなってしまいます。

TrackR 電池交換

最近は安価ながらGPS追跡装置のような使い方が出来る忘れ物防止タグも登場しています。

⇒忘れ物防止タグ TrackR による盗難対策

駐車場

出来る限り部外者の侵入が困難な施設を利用したいものです。

  • フェンスやゲートにより敷地が明確に区別されている。
  • 場内の見通しが良く、死角が無い。
  • 常夜灯やセンサーライトにより夜間でも明るさが確保されている。
  • 管理人や防犯カメラにより常時監視されている。

ただし、自宅にシャッター付きガレージがあったとしても、ガレージを出てしまえぱ効果がありません。外出先用の対策も必要です。

また、道路沿いの駐車場では、窃盗団にストリートビューで下見される懸念があります。ストリートビューに自分の車が写っていないか確認すると良いでしょう。

ストリートビュー(追加ぼかし処理前)

⇒ストリートビューに写った自分の車をぼかしてもらう方法

まとめ

盗難対策はどれも一長一短で万能な方法はありません。盗難に遭う可能性を少しでもゼロに近づけるためには、単体での効果を過信せず、複数を併用して二重三重の防護をするべきだと思います。

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