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ヘッドライトのHID化(1) 製品の仕様

2019/11/13

ハイエースのハロゲンヘッドライトをHID化しました。ハイエースのヘッドライトは配光が良いので、明るさについてはハロゲンのままでも不満はありませんでした。しかし、HID化には明るさ以外のメリットもあります。

ハイエースのヘッドライトの仕様

ハイエースのヘッドライトの標準仕様は、2灯式ハロゲンです。3型ではオプションとしてロービーム側をHIDにした4灯式が追加されました。4型のオプションではロービーム側がLEDに変更されました。4灯式のハイビーム側は3型も4型もハロゲンです。

  • 2灯式:バルブの数は合計2個、バルブほロービーム/ハイビーム兼用
  • 4灯式:バルブの数は合計4個、バルブはロービーム用とハイビーム用が独立

ハロゲンをHID化する場合は純正バルブ形状に合う製品を選択する必要があります。純正バルブ形状は2灯式がH4(ロービーム/ハイビーム切り替えタイプ)、4灯式のハイビーム側がHB3です。

型式仕様場所ヘッドライト種類バルブ形状
1型~4型標準仕様車ロービーム/ハイビームハロゲン/ハロゲンH4
3型オプション仕様車ロービーム
ハイビーム
HID
ハロゲン
D4R
HB3
4型オプション仕様車ロービーム
ハイビーム
LED
ハロゲン

HB3

HIDの動作原理

光源

HIDはHigh-intensity discharge lamp(高輝度放電灯)の略称です。ハロゲンとHIDの違いは白熱電球と蛍光灯の違いをイメージすると理解しやすいと思います。ハロゲンバルブ(電球)はフィラメントを光源とし、低電圧(12V)で動作するのに対し、HIDバーナー(放電管)は電極間のアーク放電を光源とし、高電圧(約20000V)で動作します。

構成部品

ハロゲンをHID化する場合は、バルブをバーナーに交換するだけではなく、バラスト(安定装置)およびイグナイター(始動装置)と呼ばれる回路を追加する必要があります。バラストは蛍光灯の安定器に相当し、放電に必要な高電圧を安定供給します。イグナイターは蛍光灯のグロー球に相当し、点火に必要な高電圧パルスを発生します。

こちらの画像は私が初めて購入したHIDキットです。この製品はバラストとイグナイターが一体化されていますが、バラストとイグナイターが別体式の製品もあります。

HIDの構成部品

光軸の切り替え

H4用のハロゲンバルブは先端側にロービーム用のフィラメントがあり、口金側にはハイビーム用のフィラメントがあって、必要な方のみ点灯させて光軸を切り替える構造になっています。

一方、HIDバーナーは始動に高電圧が必要なこと、点灯してから光が安定するまで若干のタイムラグがあることから点灯と消灯の繰り返しには向いていません。そこで、H4用のHIDバーナーは1つの光源を収めた灯体を前後にスライドさせることによってロービームとハイビームの光軸を切り替える構造になっています。

HIDのバーナー

HIDのメリット

大光量(明るい)

HIDの明るさはハロゲンの約3倍です。

  • ハロゲン(55W):約1000lm(ルーメン)
  • HID(35W):約3000lm

こちらの画像はハロゲンとHIDのハイビームの明るさを比較したものです。ハイエースのヘッドライトはハロゲンでも十分明るいのですが、HID化後はより遠くまで明るく照らせるようになりました。

HIDの明るさ

以前の愛車(ブルーバードU12)では、ハロゲンバルブを標準(55W)の2倍(110W)のハイワッテージ仕様に変更しても明るさにまだ不満が残りました。ところが、HIDに交換してからは明るさへの不満が解消されました。このことから、HIDの明るさがハロゲンの2倍を超えているのは間違いないと思います。

太陽光に近い光色

ハロゲンはやや黄味がかった光を発生するのに対し、HIDは太陽光に近い白色の光を発生します。

  • ハロゲン:約3000K(ケルビン)
  • HID(車検適合範囲):3000K/4300K/5000K/6000K
  • 太陽光:約5500K
HIDの光色

ヘッドライトのバルブの色は法律(道路運送車両法)によって制限されています。白以外の色は車検に通りません(ただし、平成17年式車までは黄色もOK)。車検に通る色温度の目安は6000K程度までと言われています。

4-57 走行用前照灯

(中略)

4-57-2 性能要件等

(中略)

4-57-2-2 視認等による審査
走行用前照灯は、(中略)次の基準に適合するものでなければならない。

(中略)

②走行用前照灯の灯光の色は、白色であること。

(中略)

4-57-8 従前規定の適用④
平成17年12月31日以前に製作された自動車については、次の基準に適合するものであればよい。

(中略)

4-57-8-2 性能要件
(1)4-57-8-1(1)の走行用前照灯は、次の基準に適合するものでなければならない。

(中略)

④走行用前照灯の灯光の色は、白色又は淡黄色であり、そのすべてが同一であること。

(後略)

審査事務規程 第4章 新規検査及び予備検査(独立行政法人自動車技術総合機構)

色温度

消費電力が同じでも、色温度(ケルビン)が高くなるほど、光色が白から青に近づいていき、明るさ(ルーメン)が低下します。

色温度が高すぎると降雨時などに乱反射が発生しやすくなり視認性が悪化します。

省電力

HIDの消費電力はハロゲンの約半分です。夜間走行時のバッテリーとオルタネーターへの負荷が軽減されます。

  • ハロゲン:55W
  • HID:通常タイプ35W、ハイワッテージタイプ55W

長寿命

HIDの寿命は製品の仕様や使用条件によって大きく変わるため一概には言えません。しかし、HIDバーナーはフィラメントのような球切れが発生しないことから、ハロゲンバルブよりも長寿命が期待できます。

私が初めて購入したHIDキットは、以前の愛車とハイエースで合わせて計8年弱(23000km) 使用しました。片側のスライド機構が不調になったためハイエースから取り外し、もう片側をスクーターに移植しました。その後、4年弱でバラストが2つとも故障しました。つまり、バーナーは計12年弱もの間、点灯機能を失わなかったことになります。

ハロゲンバルブを8年も使用したら、球切れはおそらく1回や2回ではすまないことでしよう。ハイエースのバルブ交換はヘッドライトの脱着が必要で乗用車よりも手間がかかるので寿命は長ければ長いほど助かります。

HIDの仕様

HIDキットの価格はメーカーによりピンキリです。私はこれまでHIDキットを3セット購入しています。HIDキットが市販化された当初は国内有名メーカーしか選択肢がありませんでした。その後、選択肢が増え、国内有名メーカーの製品には割高感を感じるようになりました。一方、安価ながら品質が疑わしい製品が出回るようになりました。私が2回目に購入した製品は4年弱で故障してしまいましたが、価格と品質のバランスが優れていると思えたので、3回目も同じメーカーの製品を購入しました。以下は3回目に購入した製品の仕様です。

  • メーカー:WORLD WING LIGHT
  • 商品名:LYZER HIDコンバージョンフルキット 35W H4 Hi/Lo ダブルソレノイド 4300K
  • バーナー形状: H4スライドタイプ
  • スライド機構:ダブルソレノイド式
    私は過去にスライド機構の故障によりHIDキットを2回買い換えています。いずれの製品もスライド機構はシングルソレノイド式で、症状としてはハイビームからロービームに戻らなくなりました。シングルソレノイド式の場合、灯体をロービーム側からハイビーム側にスライドさせる時には電磁石の力を使用しますが、ハイビーム側からロービーム側にスライドさせる時にはスプリングの力を使用します。よって、スプリングの劣化、もしくは、スライド部の汚れの影響等で、ハイビームからロービームに戻らなくなったものと考えられます。私が3回目に購入したダブルソレノイド式の製品は、ロービームからハイビーム、ハイビームからロービーム、どちらの方向にも電磁石の力を使用するので、シングルソレノイド式の製品よりも長寿命が期待できます。 
  • 色温度:4300K(ケルビン)
    この製品はフィリップス社製のバーナーを採用しています。フィリップス社製のバーナーには、3000K/4300K/5000K/6000K/8000K/10000K/12000K などのタイプがあります。私は明るさと悪天候時の視認性を重視して色温度が低めの製品を選びました。 
  • 定格電圧:12V
  • 消費電力:35W
    ハイワッテージタイプ(55W)の製品もありますが、私はバッテリーへの負荷が少ない通常タイプ(35W)を選びました。 
  • リレーの有無:有り
    市販のHIDキットにはリレーありタイプとリレーレスタイプがあります。リレーありタイプはバッテリーからの直接配線が必要なため、取り付けはやや面倒なものの安定した点灯が期待できます。一方、リレーレスタイプは車体側ヘッドライトハーネスから給電するのでバッテリーからの直接配線は不要です。ただし、ハーネスのコードが細い車種では、安定した点灯が得られない可能性があります。 
  • UVカットガラス採用の有無:有り
    HIDが発生する紫外線はヘッドライト周辺の樹脂製パーツを劣化させる原因となります。バーナーにUVカットガラスが採用されている製品であればリフレクター焼けの抑制が期待できます。 
  • ハイビームインジケーター不点灯防止アダプターの要否:必要
    私が1回目に購入したHIDキットとハイエースの組合せではハイビームインジケーターは正常に点灯していました。しかし、その後に購入したHIDキットとハイエースの組合せではハイビームインジケーターが点灯しなくなってしまいました。しかし、オプションのハイビームインジケーター不点灯防止アダプターを追加したところ、ハイビームインジケーターが点灯するようになりました。 
  • 購入店:インターネットオークション
  • 購入年月:2015年11月
  • 購入価格(税込、送料別):18610円(本体15480円+ハイビームインジケーター不点灯防止アダプター3130円)
HIDキット

HIDの取り付け

HIDの取り付けは自分で行いました。作業時間は半日ほどでした。取り付け手順については別途記事にしています。

HIDバーナーの空焼き

⇒ヘッドライトのHID化(2) 取り付け

HID化後の車検

私が購入した製品は、旧検査基準(ハイビーム検査)の頃は問題なく車検に通りました。しかし、平成27年9月に新検査基準(ロービーム検査)が始まってからは、光軸調整をしても車検に通らなくなってしまいました。詳細は別途記事にしています。

後付けHIDのロービーム検査

⇒ヘッドライトのロービーム検査

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