ハイエース盗難情報(3) 盗難台数が減少に転じる
2019/11/27
先日、ハイエースの盗難台数が減少に転じたとのニュースがありました。しかし、手放しで喜ぶことはできません。
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ハイエースの盗難被害が大幅減少
車種別で2007年調査から7年連続でワースト1位だったトヨタ『ハイエース』の被害が148件から40件に大幅減少し、2位となった。
盗難車ワースト1位が ハイエース から プリウス に…日本損害保険協会 | レスポンス(Response.jp)2015年4月1日(水)10:32
2014年の11月に保険金を支払った事案を対象にした調査結果では、ハイエースの盗難被害に対する月間支払い件数が前年の148件から40件に大幅減少したとのことです。しかし、被害件数が減少したとはいえ、わずか1ヶ月の間に盗難保険に加入しているオーナーだけで40件もの被害が発生しているのですから警戒を緩めるわけにはいきません。
イモビライザーの普及が奏功?
この記事では、イモビライザーの普及がハイエースの盗難台数の減少に奏功したと分析しています。
ハイエースは、2012年5月発売モデルから盗難防止装置であるイモビライザが全車標準装備されたことが大幅減少の背景にあると見られる。
盗難車ワースト1位が ハイエース から プリウス に…日本損害保険協会 | レスポンス(Response.jp)2015年4月1日(水)10:32
一方、同じ記事では盗難抑止力の高い最新車種アクアも被害に遭っていると報じています。
アクアが4位にランクインしていることから、防盗性能が高められている最新車種でも被害に遭っており、市場流通量の多い人気車種は窃盗犯に狙われるリスクも高い。
盗難車ワースト1位が ハイエース から プリウス に…日本損害保険協会 | レスポンス(Response.jp)2015年4月1日(水)10:32
純正イモビライザーの限界
純正イモビライザーによる盗難抑止力には限界があります。純正イモビライザーの場合、ECU(車体側コンピューター)を別の車両のものに交換すれば別の車両用のメインキーで始動できてしまいます。さらに、不正な合鍵をメインキーと誤認させるイモビカッターという装置が登場しています。また、レッカーによる持ち去りにも無力です。
以前、紹介したニュースからは、イモビライザーやハンドルロックで対策しても犯行に及ぶスキルの高い窃盗団の存在がうかがえます。
よって、イモビライザーの普及によってハイエースの盗難台数が減少したのではなく、何らかの理由で窃盗団の間でハイエースの「人気」が低下したと考えた方が良さそうです。
全体の盗難台数も減少
冒頭のニュースで紹介した日本損害保険協会の調査結果では、ハイエース以外の車種を含めた盗難台数の合計も619台から372台に減少しています。
第15回自動車盗難事故実態調査結果発表 - 損害保険協会
- 2013年11月:619台
- 2014年11月:372台
第16回自動車盗難事故実態調査結果発表 - 損害保険協会
盗難台数が減少した背景には、為替レートの影響が考えられます。2007年から円安で推移していた為替レートが2013年からは円高に転じました。円高だからといって、海外の依頼者が窃盗団に代金を多く支払うことはないはずです。よって、円高局面では、現地通貨を円に両替して得られる代金が目減りしてしまいます。円安に戻れば、窃盗団の活動が再び活発化しても不思議ではありません。
まとめ
ハイエースの盗難台数が減少に転じたとのニュースがありました。とはいえ、盗難台数がゼロになったわけではないので油断は禁物です。
被害に遭わないためには、イモビライザーの盗難抑止力を過信せず、例えば、カーセキュリティを導入する、単体ではなく複数の盗難防止装置を組み合わせるなど、二重三重の盗難対策が必要だと思います。